2017年08月21日

甲斐駒ケ岳  ~黒戸尾根から八丁尾根への周回にて~


先日の日曜日、いつも一緒に走るメンバーにて甲斐駒ケ岳。
黒戸尾根で行きたいとの要望があったので、それならと・・・


日向八丁尾根を使った周回コースを提案。
私も気になっていたコースなので丁度よかったです。



どちらから周回するか考えましたが、フィナーレを日向山とする時計回りプランに決定。八丁尾根は時間がかかるみたいで、なるべく早いうちに甲斐駒ケ岳に登ることで、景色を堪能出来ればな~っと考えました。



多少準備に時間がかかって5時40分のスタートです。かなり走力の揃ったメンバー、4時間を切るくらいのタイムで登頂予定。



緩やかな尾根をのんびり登って行きます。まずはウォーミングアップ、走れる区間もありますが、後半の事も考えて、ウォーキングに徹します。




それほどの疲れもなく五合目小屋後、いよいよ黒戸尾根核心部へと入って行きます。





しかし、ここからの黒戸尾根は凄いですね~。たしかに梯子・鎖が無ければ、一般の人には登れない場所が多いです。もちろんメジャールート、しっかりとした梯子や鎖で安心です。このあたりになると皆でワイワイ言いながら楽しく登れます。





程なくして七丈小屋、唯一の水場でたっぷりと水分補給。ここでヘルメットも装着。







しばらく登れば、やっとこさ森林限界。数か所の鎖場を楽しんで、岩に登って楽しんで、けっこう時間がかかっています。






4時間30分ほどで山頂です。
やっぱ時間掛りました。その分楽しんで登れたので良いでしょ~。
で、結局ガスガスな山頂。黒戸尾根からの登山者は少ないですが、北沢峠組が多く登るので、賑やかな山頂でした。少しのんびりと昼食タイムを取った後は、いよいよ今日のハイライト、八丁尾根へと向かいます。




下り始めてすぐにライチョウ2羽が見送ってくれます。





花崗岩の砂が滑りやすく、注意しながら高度を下げていきます。
なかなか、素敵な稜線。天気が良ければかなり快適な尾根下りができそうです。





今日の楽しみの一つ、長い鎖場の下りです。
ヤマレコの記事で読んでいたのでどうかと思いましたが、思ったほどには高度感も少なく、垂直ってほどの傾斜でもないので、鎖をしっかり使えば、苦も無く降りられました。




さらに高度を下げて、六合目の石室。すごく綺麗に使われていて快適そうでした。





このあたりからは半分は樹林帯の稜線、三ッ頭近くは歩きにくいトラバース。ほとんどけもの道程度のトラバース路、ピンクテープが無いとちょっと難しいルートでした。





なんか、やっと三ッ頭って感じで到着。天気が良ければ、鋸岳の雄姿も見れるんでしょうけど、今日はこれが精いっぱいな景色でした。





烏帽子岳まではあっという間、ただ稜線は狭くて岩々で歩きにくいですね。分岐を過ぎて10分程度でしょうか。




ここからの下りが、けっこう苦労しました。かなり粘土質でスリッピーな斜面をガンガン下ります。まだまだ向こうに、最後の激登りが待っている大岩山が見えています。なかなか近づかないんですよね~。



徐々に傾斜が緩やかになって歩きやすい下りになると、程なくして大岩山の鞍部に到着。絶壁が前に立ちはだかっています。鎖や梯子も見えています。









さあ、登ります。鎖に梯子、ワイヤーロープを使ってグングン高度を稼ぎなんとか大岩山です。けっこう滑りやすいので、下りで使うのはけっこう怖そう。







大岩山の先のピークから、さっきまで雲の中だった鋸岳が姿を現わしました。もう少し近くで眺めたかったですが、ここからでも十分な迫力。








大岩山を過ぎれば、さっきまでの歩きにくい稜線から一気に極上トレイルに。特に鞍掛山への分岐の駒岩までは最高のフカフカトレイルでした。今日一番トレイル。







さらに高度を一気に下げて日向山。
ここも初めてのメンバーばかりだったので、疲れた脚でも喜んでもらえました。
ちょっとだけ下界の景色も眺められて、この独特の風景を堪能です。






しかし、すでに時刻は16時、思った以上に時間がおしてます。
ここからは、レースモードのスピードで駐車場までダウンヒル。標高差900mを40分ほどで下っちゃいました。こんな速度で下るのなんて、最近ではレースでも出さない速度、非常に楽しい40分となりました。



始めての八丁尾根、ある程度整備されたといっても、目印があるだけみたいな区間もあるし、快適に、とまではいきませんが、歩く人も少なく冒険心をくすぐるコース。単独だとちょっと寂しいし、なにかあったときに危険なので、みんなでワイワイ行きたい良いコースですね~。


カシミールでのGPSデータで24kmほど、累積標高差+3000m。今回は11時間のトレキングでした。
  

Posted by ひでたろう at 18:56Comments(0)トレイルラン山登り

2017年08月16日

夏休みの山は、南アルプス南部の旅 ~2~

さて2日目です。

今日は、前日早めに切り上げた事でちょっと長い距離の移動。なので3時前には起き出して準備。3時30分出発予定なんです。
夜中の本降りがウソにように雨があがり、出発する頃には星空も見えてきました。ヘッドライトを点けてイザ出発!


百間洞からなら無理なく茶臼小屋経由で下れるんですが、荒川小屋からだと、赤石岳越えの分だけ距離があります。なので聖平小屋から聖沢で下山するコースに変更予定。




荒川小屋から緩やかに登って行くと大聖寺平。この頃からやっと空が明るくなってきます。
荒川岳もシルエットではっきり見える様に。



ここからが登り本番。標高差400mを一気登り。
徐々に明るくなってきて、周りの景色もどんどん変化するので楽しく登れました。





小赤石岳まで登れば一段落。朝の景色を堪能です。
富士山もなんとか雲から出ようとしています。しかし早朝の3000m風も強く、寒さは別格です。






赤石小屋への分岐まで下って登り返して赤石岳山頂
赤石山脈の主峰ですね!!
寒いので、360°のパノラマを楽しんだら、速攻で避難小屋へ。温かな小屋の中で朝食タイム。避難小屋なのにこんなに賑やかなのは、この小屋くらいでしょう!ストーブも焚いてあり、本当に落ち着きました。




あまり長居してると出かけるのがいやになるので、早々に出発。まずは百間洞までのダウンヒル。百間平を挟んで、一気に700mも下ります。




あっと言う間に百間洞小屋。さっきまであれほど寒かったのに、日が出てきたら温かくなってきました。ここからはTシャツの夏姿に戻ります。







ここから、私的にはとっても好きな区間。
赤石・聖に挟まれた、ちょっとマイナーなイメージの大沢岳・中盛丸山・兎岳。登山者の数もちょっと少なくて、静かな山歩きができる所。山頂も地味ですが、景色抜群でのんびりできたりします。
でも、実際にはそれぞれ2800m以上もある立派な山。それなりに登りごたえもあるんです。
今回は、時間の関係で大沢岳はパス。先を急ぎます。




兎岳まで登れば、聖岳が大きく迫ってきます。こちら側から見ると、長野側のガレが荒々しくて迫力満点。このガレの際を進むので、かなりスリリングな所。




最低鞍部から見上げる聖岳の迫力はかなりのものです。南アルプスでは珍しく、手も動員しながら登るんです。





高度差400mを登りきれば、今日最後のピーク聖岳。
少し前まで山頂が見えてましたが、登ってみればガスの中。
最初の悪沢岳と最後の聖岳だけは、ガスの中って落ちでした。



さっきまで静かな山旅って感じでしたが、さすがに日本百名山、そして最南端の3000m峰の聖岳。とっても賑やかな山頂でした。人気がありますね。




そろそろお昼の時間。聖平までダーって下ってお昼ご飯にしましょう!





テント泊なのに、初めてガスコンロ出しました。カップ麺です。
それと、小屋でフルーツポンチをサービスしていたので、それも頂きました。



時間は13時。なんとか17時くらいには下山して温泉入りたいです。
聖沢をグングン下ります。



下ります。って思っていたけど、このルート。なかなか高度が下がらないんですね。1時間以上も歩いて、やっと200mくらい下がってます。ほとんどトラバースしているんです。ってかアップダウンがけっこうあるし、道自体も歩きにくい。その後に一気に600mくらい下って、またまたトラバース。最後に300mくらい下って、やっと林道。2時間45分くらいかかりました。





後は、13kmの林道ラン。
一応下り基調なんで、平な所と下っている所は走ります。
さすがに、登りは歩きました。1日中、山を歩いて、その後のランはかなりしんどいです。




17時30分、なんとか沼平に到着。
白樺荘のお風呂にもなんとか間に合いました。最終は18時までなんですね。


ちなみに、今回、聖平から聖沢を下りましたが、思っていた以上にアップダウンがあるし、その後の林道も長いんです。帰ってから念のためにカシミールで調べてみたら、茶臼経由でも聖沢でも、累積標高差ってそれほど変わらないんですね。距離は、茶臼小屋経由のほうが圧倒的に短いです。もしかしたら、茶臼小屋経由のほうが上河内岳を越えてでも、早く下れるんじゃないかと思いました。


結局、1日目、距離32.5km 10時間30分くらい。 2日目、距離39.5km 13時間30分くらい。
60kmの予定が、70km以上の歩きになり、2日間で24時間かかりました。
なかなかにハードだったけど、とっても面白い山行になりました。





  

Posted by ひでたろう at 17:05Comments(0)山登り

2017年08月16日

夏休みの山は、南アルプス南部の旅 ~1~


今年の夏休み、13~15日
天気予報とも相談して、13~14日で南アルプスへ。

せっかくのお盆休みなので、休みの合った二人を誘って、3人パーティーで出かけました。
私と、S井さん、U山さん。



コースは、4年前と同じ、荒川~赤石~聖~上河内の予定。ペースによって臨機応変に変更するつもりで。
宿泊予定は、百間洞。



夜中の静岡を車で出発。3:30頃には沼平に到着して、4:00過ぎにはいざスタート。





登山口の椹島までは林道をひた走ります。テン泊は送迎バスには乗れないので・・・・
16kmの道のりを2時間30分くらいかけてのんびりジョグ。
荷物が重たいので、それなりに疲れます。






赤石沢のライブカメラ地点。なんとか赤石岳のピークが見えます。
そして椹島からいよいよ本格的な登り。エネルギー補給をして出発です。





登り始めの痩せた尾根を越えれば、後は緩やかに高度を上げていく快適な尾根。
天気もまだまだ青空が覗いています。
せめて悪沢岳くらいまではもって欲しいと思いながら、グングン高度を稼ぎます。




でも、どんどんガスが濃くなって、駒鳥池に着くころにはパラパラと雨。樹林帯なのでレインを着こむほどではないけど、ちょっと残念な天気に。






けっこう時間がかかりました。千枚小屋に到着です。予定より30分ほど遅いでしょうか。
メンバーの中に、前日50km以上もロードを走っていた者がいて、疲労が残っている模様・・・・あ~




ガスは濃いですが雨は落ちてません。レインは羽織らずそのまま千枚岳へ。
景色の無い山頂、休憩もそこそこにいよいよ悪沢岳に向かいます。




千枚岳からの下り。ちょっと嫌な岩場があるんですが、いつの間にか梯子が掛ってました。ここはかなり怖かった場所なので、これならS井さんでも安心して降りられます。









千枚~悪沢に向けての稜線はお花天国。今回も凄く綺麗なお花畑でした。ちょうど見ごろなんでしょうか、様々なお花で埋め尽くされてました。




丸山手前で、今回の山行唯一のライチョウに出会いました。岩の上で佇んで遠くを見ているライチョウがかっこ良かったです。






いよいよ悪沢岳が近づいてくると岩々の連続、歩きにくい大岩を登って行けば、今回の最高峰悪沢岳です。
ガスが濃くて景色は無かったですが、風も穏やかで過ごしやすい山頂でした。




悪沢岳からのガレた下り降りきる頃には、少しづつガスが取れはじめます。中岳・前岳もうっすら見え始め・・・・




もう少しで中岳って頃には、かなりの青空が。





さらに主峰の赤石岳も雲の中から顔を出しました。





前岳の山頂も一応足を運んでから、荒川小屋へと下山開始。
前岳から振り返った中岳はけっこう大きいですね~。





前岳前のお花畑もなかなか華やかなんですが、千枚岳のお花畑を見た後だと、ちょっとイマイチ。昔のほうが、もっと花の密度が濃かった記憶があります。





荒川小屋には、3時前には到着。
天気もすっかり回復してます。青空が広がっていて、今降りてきた荒川岳の絶壁も見ごたえあります。


さて、赤石避難小屋までは行けそう。
でも、前日50km以上も走っているU山さん、そろそろアルコール燃料が切れてしまったようで、今日はここで終了~。としました。明日の行程が少しだけハードになりますが、一晩寝ればかなりリフレッシュするでしょう。





早速、アルコール燃料を注入だそうです。1Lほど注入。





私とS井さんは、ストックシェルターでもテン泊。U山さんは山小屋です。
でも、夕食の支度が面倒なのと、せっかくの荒川小屋。カレーが無性に食べたくて夕食だけ小屋で頂きました。




小屋での夕食も食べて、あとは寝るだけ。
と思っていたら、いよいよ降り出しました。本降りです。
この後、明け方まで降ったり止んだりを繰り返してました。ストックシェルターは、換気の為に少しだけ入口を開けていたので、しっかり浸水してました。はやり、快適に寝るならテントですね。



それでも、起き出した3時前にはすっかり雨は上がって、二日目のスタートです。

  

Posted by ひでたろう at 11:56Comments(0)山登り

2017年08月04日

やっと南アルプス~光岳~


7月は、結局山には一度も行けずで、8月になっちゃいました。
梅雨明け後もなかなか良い天気に当たらずで仕方ないことですが、かなりモヤモヤしてました。

この前の水曜日、天気予報は微妙だったんですが、我慢できずに南アルプスへ。



往復35kmある光岳。日帰りだとなかなかハードなコースですが、気合を入れて4時45分、沼平を出発。
光岳って、34年ぶりなんです。高校山岳部で初めての夏山で訪れたのが、上河内・茶臼、そして光岳だったんです。それ以来。
当時の記憶では、ひたすら長くて大変だった思い出しか無いコースなんですが、さて34年ぶりに行く光岳どうでしょう。



茶臼までは勝手知ったコース、行程が長いのでちょっと飛ばし気味に頑張って高度を上げます。この頃は、まだまだ青空も覗いてていい感じ。せめて10時くらいまでこの天気が続いてくれれば、なんて思いながら登ってます。




茶臼小屋到着。吊橋から2時間20分ちょっと、かなり頑張りました。まだ青空がのぞいてますが、かなり雲は多くなってきた。小休止だけして急いで稜線へ・・・・






ガスっちゃいました。やっぱり・・・・





結局、この後は晴れる事は無しです。
でも、このコース、この後はほとんどが樹林帯。ガスの中でも雰囲気良いです。





希望峰までは去年も訪れていて、かなり良い雰囲気の稜線なのはわかってましたが、その先も易老岳までが最高なんです。希望峰から2300mちょっとまで高度を下げると、そこからは、緩やかなアップダウンの稜線が易老岳までずっと続くんです。しかも路面状態も良くて走りやすいんです。






天気はちょっと残念ですが、この区間を走れたのは今回のツーリングで一番でした。





易老岳でちょっと一服。ここからさらに2200mまで高度を下げて、そこからいよいよ光岳への登り返しが始まります。





しかし、この登り返しがかなり大変。400mの登り返しなんですが、前半は、ガレた沢を登るので非常に歩きにくいんです。しかも、今回はここから雨が降り始めてしまい、濡れた岩や石に注意しながら脚を運びました。




沢を登り詰めたところの水場、夏場、良い天気が続くと涸れることもあるようです。もちろん今回は問題なし。美味しいお水でした。




ここから天空の台地です。イザルガ岳から光岳にかけては広い山頂になっているんで、天気さえよければ絶景なんですが・・・・
天気が悪いんでイザルガ岳はパス。





光小屋もスルーして光岳へと急ぎます。





この分岐を左に行けば、信濃俣から大無間へと続く、アラウンド静岡ゼロのコースですね~。




小屋から10~15分くらいで光岳山頂です。景色の無い寂しい山頂。ここの記憶は34年前と一緒でした。
さて、今回の一番の目的は光岳ではなくて、光岩。実は34年前には、山頂までしか来ていなくて、光岩は未踏なんです。天気が悪くてもそこだけは行きます。





山頂からは5~6分くらい下った場所。突然姿を現す岩の固まり。
やっと光岩に到着です。天気が良ければ深南部の山々が見えるんでしょうけど、今日は残念。
次は、天気の良い日を狙って来たいですね。出来れば日帰りでは無くて、光小屋に一泊してご来光がいいですね。



ここまで、17km以上、5時間30分経過。帰りも脚が終わらなければ、15時くらいには下山出来るでしょうか?
おにぎりでエネルギー補給をして、来た道を戻ります。走れる区間が多いだけに、疲れた脚には堪えますが、雨模様のなか必要最低限のエネルギー補給の休憩以外はほとんど休まずに茶臼小屋まで。



ここで雨宿りをしながら一息ついて最後の下り。
横窪沢小屋でも小休止をしながら、雨の尾根を、足元に注意しながらダウンヒル。





ガメラ?





そしてもう過ぐ下山だ~!って時、ヤレヤレ峠の手前の沢沿いで、行きに注意しなきゃと思っていた岩が思っていた以上に滑ってしまい、スッテンコロリ。怪我は無かったですが、最後の最後、やはり注意力が散漫していたようです。



沼平には15時ちょっとには到着。10時間20分くらいの長旅でした。アルプスだと25kmくらいでも10時間くらいかかることも多いので、それだけ走れるコースって事ですね。天気が悪かった割には楽しめた一日でした。  

Posted by ひでたろう at 19:06Comments(0)トレイルラン山登り